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東京原発

先月みた東京原発という映画の中で、原子力安全委員会のメンバーである榎本教授が冷静な表情で、「きっとチェレンコフの光を見てしまったのでしょう」という場面があります。原発での臨界事故の様子をこう表現しているのですが、このセリフがもつ絶望感、無念さといったら、想像するだけで現実逃避したくなります。
「国が高速増殖炉の実用化を当面断念し、プルサーマル発電を主軸にする」と一部ニュースが報道したことに対し、政府がこの報道を強く否定していることを知って思い出しました。

原発を動かせば、必然的にプルトニウムを含む廃棄物がでるわけですが、映画をみると、この扱いをどうするかが人類史上稀にみる課題になっていることがわかります。
そこで、プルトニウムをさらに燃料として再利用しようというのがプルサーマルです。但し、処理施設建設やその維持運営には莫大なコストがかかります。今ある原発でプルトニウムを燃やそうとすると近隣住民の理解が得られません。しかも廃棄物は30年以上という気の長くなる間、管理保管する必要があるというのです。プルトニウムは核兵器になる大変危険な物質で、たとえ廃棄物という扱いであっても、それを持つことが国際的な緊張感を高めているといわれています。ドイツは脱原発の道を選びました。

この映画のように、東京のど真ん中に原発を誘致するなど、現実には有り得ないことでも、「もし自分が原発の側に暮らす身になったら・・・」を考えることの意義は大きいと思いました。
Not In My Back Yard の頭文字をとって「NIMBY症候群」という言葉があります。「原発は必要だが俺の裏庭に作るなら反対だ」という意味だそうです。役所広司が扮する天馬都知事のねらいは、まさにこの問題をフォーカスすることにあったといえましょう。

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