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【ローマ人の物語4】ローマを守リ抜いた4人の武将たち

カンネの戦いでハンニバルに大敗したローマでしたが、貴族と平民が分裂することなく一枚岩になって最後の砦を守ったのでした。逆に、南イタリアの大部分を支配下におくことになったハンニバルは、守ってやるべき同盟国や都市がふえたがために、これまでの攻めから守りへと立場が変わっていきます。一匹しかいない猫のいぬ間にはびこるネズミの戦略をとるローマに翻弄されているようにもみえます。その類稀な才能がゆえに、常に先頭にたって戦うことを運命づけられた武将ハンニバルの弱さともいえましょう。引き続き文庫版「ハンニバル戦記(中巻)」です。

p150 第二次ポエニ戦役中でも、ローマが最も苦境にあったと思われる紀元前215年から前211年までの四年間、つまり防戦に専念することを強いられた四年間、後方の元老院とともに一糸乱れず、対ハンニバルの最前線に立ちづづけた武将が四人いる。

スキピオが現れるまでローマを守ったのは地味ながら個性豊かな4人の司令官でした。はじめは「ぐず男」のちに「イタリアの盾」と呼ばれたファビウスが得意にしたのは持久戦法。ローマの名門貴族クラウディウス家の出身であるマルケルスの積極的な戦いぶりは「イタリアの剣」と呼ばれます。ローマへの愛国心などもたない奴隷たちを訓練し戦力化したグラックス。彼が率いる「奴隷軍団」の活躍はムチではなく忠誠心に基づくものだったといいます。武将としてより外交や行政の才能に恵まれたレヴィヌスの真骨頂は、同盟国との交渉、反対勢力による蜂起の工作といった外交戦に発揮されました。仮にこの場面を映画にするとして、この4人のキャスティングを決められる立場にあったなら、それぞれだれが適任であるか、大いに悩みまた楽しめることでしょう。

p214 兵士たちには、海神ポセイドンが昨夜夢枕に立ち、潟の中の道案内に立ってくれることも伝えた。だから、すべては神にまかせよ、と。

カルタゴ軍の裏をかく奇襲をまえに、ローマの若き武将スキピオが兵士にむかって演説したといいます。もともとローマきっての名門貴族であるコルネリウス一門の出であるというだけでなく、演壇に立つだけで映えるイケメンな風貌、晴朗な人柄がかもし出す雰囲気には人を惹きつける魅力があったようです。そのことを彼自身が一番良く知ったうえで、この虚言ともいうべき群集への働きかけ。スキピオの場合、もちろん戦闘前の周到な準備を行ったうえでの話だそうですが。
カリスマ的リーダーには自信みなぎる演出力が不可欠なようです。マネジメント正体という本のなかで、「カリスマ性は身につけられる」という一節があったのを、ふと思い出しました。

p209 天才的武将というのは、部下の兵士たちの心をつかむためには、自分の母を神々の一人と姦通させることくらいは朝飯前、という人種でもあるらしい。

という塩野氏の言及も印象的でした。

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