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クレオパトラが愛した2人の男

小説「ローマ人の物語」と並行しながら、この時代のローマを描いた映画をみると、運命に翻弄された人間ドラマとしてよりいっそう楽しむことがでてきます。不朽の名作といわれる「クレオパトラ」を初めて観ました。エリザベス・テイラー演じるクレオパトラはもちろんのこと、彼女が愛したローマの将軍の心の葛藤に同化し、人間的魅力に惹かれてしまいます。
政敵ポンペイウスを追ってエジプトに上陸したシーザー(カエサル)はクレオパトラと出会います。シーザーはその英知と美貌の虜になり、クレオパトラを妻としてローマに迎え入れます。スフィンクスにのってローマを凱旋行進するクレオパトラの鮮やかで絢爛な映像が印象に残ります。今ではクレオパトラの湯などと象徴される、当時繁栄をきわめたエジプト王朝の高貴で妖艶な暮らしぶりが伝わってきました。そんな女帝から一人の男として愛されたシーザーの威厳にみちた将軍ぶりも光っています。やがてブルータスら元老院派によってシーザーは暗殺されます。悲しみに暮れるクレオパトラはシーザーの股肱の兵だったアントニウスとの再会を約束してローマを離れ、エジプトに帰国します。
3年後、内乱状態のローマでは、シーザーの養子であるオクタヴィアヌス(のちに初代皇帝アウグストゥスとなる)、アントニウス、レピドゥスによる第2次三頭政治が行われていました。3年前の約束を果たし、自分の想いをクレオパトラに告げるアントニウスは、クレオパトラと恋に落ちて骨抜きになってしまいます。妻であったオクタヴィアヌスの姉と離婚したことで、オクタヴィアヌスとの対立が決定的となったアントニウスは、「私が死んだらクレオパトラとともにアレクサンドリアの墓に埋めてほしい」という遺言まで認めます。このことが知れるや、ローマ軍は裏切り者を討つべく、クレオパトラへ宣戦布告したのでした。有名なアクティウムの海戦です。戦いのさなか、アントニウスが戦死したと知らされるやクレオパトラはいち早く敗走します。それをみた司令官アントニウスも、劣勢のなか戦い続ける兵士を残したまま彼女の後を追ってしまうのです。そこにあったのは、闘将としての誇り、ローマ人としてのプライドなど、これまで築いた一切の名誉を捨て、クレオパトラへの愛だけを貫いた一人の男の姿だけでした。
オクタヴィアヌスに攻められ、首都アレクサンドリアの陥落もまもなくという頃、墓にこもったクレオパトラは、アントニウスに自分は死んだと告げさせます。ローマに戻らせようとしたのでしょう。しかし、アントニウスは悲嘆にくれ、自害します。それを知ったクレオパトラも彼を追います。黄金の衣を身にまとい、毒蛇を仕込んだいちじくの壷に手をいれて自らの命を絶つのでした。
以上の出来事が、高校の世界史の教科書では、次のたった3行で記述されています。

やがて東方でプトレマイオス朝の女王クレオパトラと結んだアントニウスを、オクタヴィアヌスがアクティウムの海戦で破り、100年およぶ内乱はようやくおさまった。

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