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グラディエーター

古代ローマの剣闘士のドラマを描いたグラディエーター(Gladiator)を観ました。先日のクレオパトラに続き、また少し、ローマ時代の魅力を再発見できました。映画は森林でのリアルな戦闘シーンから始まるのですが、槍や投石器をつかって敵をかく乱し、ローマの重装歩兵が隊列を整えながら前進し、背後から騎兵が挟み撃ちにするという戦い方は、【ローマ人の物語】での戦闘シーンそのもので、冒頭から引き込まれてしまいました。
この戦いでローマの英雄となったマキシマス将軍(ラッセル・クロウ)ですが、皇帝アウレリウスの不肖の息子コモドゥスの嫉妬から、愛する妻子を殺され、一転して奴隷の身に陥れられます。
人間同士、あるいは人間と猛獣を戦わせる見世物は、当時のローマにおける統治システムだった、いわゆる「パンとサーカス」のサーカスを意味します。この映画のなかでも、大衆市民の心を捉えた者がローマを制覇するのだというフレーズが幾度となく出てきます。コロッセウムでの決闘後、皇帝の親指の向き一つで剣闘士を生かすか殺すかが決定されるように、本来は皇帝の統治を強めるために行われたショーだったはずです。しかし、市民の心を捉えたのは、剣闘士マキシマスなのでした。コモドゥスへの復讐を超え、人間の尊厳をかけて戦い続けるマキシマスが、いつの間にか大衆市民の心を捉えてしまうストーリーに心を打たれました。
映画では、元老院の良識派としてグラックスが登場したり、コロッセウムの舞台装置にライオンが登場する大掛かりな細工がしてあったりと、これまで読んだり見たりした当時のローマが映像に再現されていて楽しめました。マキシマス役のラッセル・クロウが注目されますが、誰にも愛されることのない悪役コモドゥスを演じたホアキン・フェニックスの演技もすごいと思いました。
どうやらマキシマスという人物が実在していたかどうかは定かではなく、コモドゥスが決闘後に死んだという史実もないようですが、当時のローマの本質をこれだけ見事に描いた作品が、2000年度アカデミー賞の主要部門を総なめにしたのも頷けます。

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好き度:★★★★★★★★★☆ 主演はラッセル・クロウ(アカデミー主演男優賞)、共演にはホアキン・フェニックス、リチャード・ハリス、オリヴァー・リード。監督... [続きを読む]

受信: 2005/02/08 03:49

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昨日は、金曜ロードショーでグラディエーターをやっていた。 これは以前、DVDで見たことがある。 世の中には、同じ映画を2回も見えてつまらないと思う人もい... [続きを読む]

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