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ヒット商品の裏側にある「型」を探ろうという試みが面白いです。たとえば、DAKARAを生み出したサントリーには商品開発の「型」が、アコードワゴンを生み出したホンダには製品開発の「型」が、変り種では、黒川温泉の成功の「型」なんていうのもあります。ここに紹介されている13の「型」の物語は、いずれもプロジェクトXを彷彿させるような熱を感じさせます。
この「型」のことを、野中郁次郎先生は、クリエイティブ・ルーティンと呼んでいます。逸脱やかく乱を許さない標準化やマニュアル化は、ただのルーティン(お決まりの手順、決まりきった仕事)にしかならないが、クリエイティブ・ルーティンは、実行力を磨き上げる型だといっています。キヤノンのセル生産式でいうスーパーマイスター級には、自ら改善を積み重ね、自己革新を続けていく優れた達人技の「型」があるといいます。
実はここ数日で、こんどは"セル生産方式"という検索ワードがヒットしているようだったので、この「イノベーションの本質」の冒頭に取り上げられていたキヤノンのセル生産方式について、感動的なエピソードをあげておきたいと思います。
いまやキヤノンの代名詞ともなったセル生産方式ですが、実は昭和39年にすでに目をつけていた男がいたそうです。井深大、いわずもがなソニーの創業者その人です。それは、当時カラーテレビの開発にあたって、「これまでになかった新のしい製品をつくるのだから、従来とは違った製造方法があってもいいんじゃないか」という一声からはじまったといいます。若い技術者は意味がわからずに聞きなおしたところ、単純作業をくり返すベルトコンベア式生産に強い疑問をかかえていた井深氏が、たえまない生産革新を実現する活気に満ちた人間尊重の生産現場をつくりたいと考えていたのだそうです。紆余曲折ののち、やがて人間性尊重の理念とトヨタの生産方式が出会い、日本初のセル生産方式が誕生しました。これを本格的に導入したソニーの木更津工場を見学したキヤノンの御手洗社長は感激され、自社への全面導入を決断されたのだそうですが、そのとき御手洗社長を案内した工場トップこそ、井深社長が当時生産現場で声をかけた若き技術者だったというのです。なんともドラマチックないい話です。

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