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映画アレキサンダー

前売りチケットを買っておいたものの、なかなか映画館にいけず、そうこうしているうちに上映が今週一杯で打ち切りになることを知り、アレキサンダーさながら東方遠征してきました。
世界征服を果たしたマケドニアの若き大王の華々しい偉業を美化するのではなく、彼のもっていた弱さや苦悩に光を当てた作品のようでした。伝説の王アレキサンダーの強さ、猛々しさを思い浮かべていたので少しイメージと違ったのですが、英雄がゆえの孤独や苦悩はよく描かれていたのではないでしょうか。コリンファレルのイメージでは、カリスマ性を描くには物足りない気もしますが、臣下であり友人のヘファイスティオンとのバイセクシャリティや、母オリンピアスへのマザーコンプレックス、父親のマケドニア王フィリッポスとの確執など、内面の葛藤をうまく演じるには適役ではなかったかと思います。
戦闘シーンはオリバーストーンが200億円かけたというだけの迫力がありました。ただ、戦いの大義名分についての描写が弱いからなのか、殺戮シーンや残虐性の方が目立ってしまった印象を受けました。何度もモチーフとして登場する「鷲」の、空を飛んでいる目からみた合戦シーンは、優れた戦術家であったアレキサンダーが、きっと頭の中に描いた鳥瞰図そのものだったことでしょう。インドでの象との一騎打ちのシーンも絵になっていました。
映画のなかでアレキサンダーとともに戦って年老いたプトレマイオス(アンソニー・ホプキンス)の回想シーンで、「彼のしたことは結局、侵略にすぎなかった」と言った後、筆記役に、やはり今のは書き直せといった場面が不可解でした。マケドニア王の父、そしてギリシア神話の英雄たちを超えるための戦いは、あくまでもアレキサンダー自身の野心であって、結局、何万キロもの東方遠征に参戦した兵士のうち、彼の情熱や行動についていけた者はいなかったのだと本音をこぼしてしまったのでしょうか。

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公開前から予告編やらHPなどで期待しまくり!の「アレキサンダー」です。 この作品、アンジェリーナ・ジョリーとコリン・ファレルの競演ていうだけでも見所があると勝... [続きを読む]

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