« 桜満開 | トップページ | 【ローマ人の物語13】カエサルからオクタヴィアヌスへ(後継者人事の傑作) »

グッバイ、レーニン

突然の心臓発作で倒れた母が8ヶ月経って覚醒したとき、ベルリンの壁は崩壊し、東西ドイツの統一が実現していました。東ドイツの青年アレックスは、社会主義者であり祖国を愛する母にショックを与えないように、事実を隠そうと彼女に対して嘘をつき続けます。

社会主義国家崩壊の象徴である「グッバイ、レーニン」とは、おそらく主人公アレックスのつぶやきだと思われますが、映画の結末をみて感じたのは、アレックスをはじめ東側の人々が望んで止まなかった西側の自由や豊かさは、果たして本当に享受できたのだろうかということです。「グッバイ、レーニン」に込められた複雑な思い、そして「幸せとは何か?」について考えさせられたドイツ映画でした。

時代の流れを先読みしていた人(=家族を捨て西側に亡命したアレックスの父)、納得できずも適応しようと努力する人(=元宇宙飛行士で国民的英雄だったタクシー運転手)、流れに身を任せて適応していく人(=母の看護婦でありソ連出身の恋人ララ)、積極的に楽しもうとする人(=映画制作に夢をかける西ドイツ出身の友人)など、時代に翻弄されながら生きる、それぞれの人たちの姿が印象に残ります。いずれも、アレックスの嘘に協力する心優しい人たちです。おそらく、彼らにもいろいろな思いがあったに違いないでしょう。

音楽は「アメリ」を手がけた人だそうで、映画全体が"優しい雰囲気"に包まれているのも頷けます。率直にいい映画だと思いました。

|

« 桜満開 | トップページ | 【ローマ人の物語13】カエサルからオクタヴィアヌスへ(後継者人事の傑作) »

コメント

TBありがとうございます。
映画では大昔の事件とかを取り上げた作品などは多いですが、この作品は数少ない私が生まれた後に起きた、そして記憶にも残っている事件を取り上げているということでとても見応えがありました。
ドイツ映画は数本くらいしか見ていないのですがハズレが少なくて、どれも独自の世界を醸し出していて面白いですね。

投稿: keicyuke | 2005/04/11 04:03

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/24960/3649277

この記事へのトラックバック一覧です: グッバイ、レーニン:

» グッバイ、レーニン! (2003) [嗚呼 Every day of a MOVIE]
好き度:★★★★★★★☆☆☆ 主演はダニエル・ブリュール、共演にはカトリーン・ザース。 時は1989年、東西統一される前であった東ドイツに住むテレビ修理工のアレックス(ブリュール)。彼の母クリスティアーネ(ザース)は強い愛国心を持っていて、夫が西ドイ... [続きを読む]

受信: 2005/04/11 03:55

« 桜満開 | トップページ | 【ローマ人の物語13】カエサルからオクタヴィアヌスへ(後継者人事の傑作) »