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【ローマ人の物語14】帝政ローマへの布石

roma14天才カエサルの後継者として指名された天才ではないオクタヴィアヌスは、ローマの初代皇帝となります。

p55 ローマ人は、個人でも綽名で呼ぶのが好きな民族だった。

スピキオ・アフリカヌス(アフリカを降した者)、ポンペイウス・マーニュス(偉大なるポンペイウス)、デイヴス・カエサル(神君カエサル)など、祖国に対して功績をあげた人に尊称を贈るのがローマ人特有の慣習でした。同じようにオクタヴィアヌスも、ローマの共和政復帰宣言を行なったことを機に、喜びに浮かれた元老院から「アウグストゥス」(神聖で崇敬されるものの意味)の尊称が贈られます。しかし、実はこの「アウグストゥス」という一見すると権力とは無縁にみえる尊称こそ、オクタヴィアヌスが巧妙に考えた帝政への布石だったのでした。

p80 共和政時代こそ覇権拡大の時期であり、帝政は防衛の時代に変わる。

これまでの共和政時代のローマでは、必要に迫られるたびに軍団を編成していましたが、アウグストゥスは安全保障上の必要からローマ史上はじめての常設軍をつくったのでした。国家の目標が「攻略」から「防衛」に転じたからです。しかし常設軍となれば可能なかぎり小さいコストで最大の成果を上げる組織にする必要があります。そこでアウグストゥスは、これでこそ"リストラ"といわしめる軍制改革を断行したのでした。この時代に、すでに「安全保障」という概念があったことは驚きですが、ラテン語ではこれをセクリタスといい、後に英語のセキュリティーの語源になるのだそうです。
以上 文庫版「パクス・ロマーナ(上)」より。

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