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魔術はささやく

主人公の高校生、日下守が背負った3つの境遇が巧みに絡み合いながら進行します。1つめは「3人の女性の死」を追究すること、2つめは「犯罪者の息子」という烙印に打ち克つこと、3つめは「父親」を探すことです。
相変わらず、どきっとする人間心理の本質を突いた描写がでてきます。

P54 ただ、貪欲なのだ。守は思う。自分には足りないものはないが、同じように足りないものがない人間はほかにもたくさんいる。自分も十持っていて、隣の人間も十持っている状態で、その隣にいる人間に対して優越感を感じたいと思ったら、相手から何かを取り上げてしまうしか方法がない。そうしないと満足できない。
三浦のような人間-今は大多数がそうなのだ-が満足感と幸福感を得ようと思ったら、もう足し算では駄目なのだ。引き算しながら生きていくしかない。
裕福でスポーツマンで優秀な同級生三浦が、2つめの境遇を理由に、陰険で執拗な「いじめ」を繰り返すことへの分析です。
「火車」や「理由」と同じく、社会派ミステリーと呼ばれるジャンルに分類される作品だと思います。なぜ「魔術」なのか?が最後に解き明かされます。

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コメント

読みました。説明でなく描写で語る感じがうまい。宮部さんの道徳観が感じられる物語でしたね

投稿: 福田浩司賞味大臣 | 2008/06/08 22:31

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おはようございます。 今朝の4時まで、止まらなくなった本を読んでいました。友人Y [続きを読む]

受信: 2005/07/25 10:38

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