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スナーク狩り

スナーク狩りを読んだとき、こんな図が思い浮かびました。それぞれ異なる境遇、それもどちらかといえば人間関係に疲れ、悲しさや寂しさを背負った人たちが、金沢の病院というだだ一地点に向けて収斂していくのです。関越道から北陸道へと、東京から金沢へ夜の闇を疾走するクルマのスピード感とともに、一気に読んでしまいました。物語としてはたった一夜の出来事なんですよね。にもかかわらず、こんなにも沢山の人たちを登場させながら、全員が印象に残ってしまうのは凄いことです。巻末の解説にもありましたが、一つ一つの場面が、絶妙な言葉をつかって鮮明に描かれている、きわめて映像的な小説だと思いました。
固い信念のもと、織口が貫いた"私刑執行"の形は、意外なものであり感動的なものでした。金沢で迎えたクライマックスの後、織田の計画に引き寄せられた人々の人生が変わりはじめたというエピローグには、希望にも通じる温かな余韻を感じさせられました。
宮部さんの小説の中でも、かなり好きな作品に挙げたいと思います。
snarkgari2


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