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「ファイナンシャル・リテラシー入門」にふさわしい良書

思いっきり注意を惹くタイトルは、話のネタになるノウハウ本かな?と思いつつ平積みになっていたものを手にとったのがキッカケでした。「外資ファンド利回り20%超のからくり」(北村慶著/PHP研究所)です。
資本力にものをいわせ、次々に資産を買収しては売り抜ける外資ファンドのやりかたに、なかば「ハゲタカの野郎め!」という気持ちがあったのも事実です。

しかし、読後感はまったく違うものでした。正直いって、外資ファンド=ハゲタカという一方的な誤解に反省しきり。著者がたびたび強調する「ファイナンシャル・リテラシー」の必要性について大いに刺激を受けました。一つずつ疑問が解決されていくのは心地よくもありました。
パッとみた感じの装丁からは、扱っている範囲が限定的な印象があったのですが、驚くほど基礎的で解説が教科書のようにわかりやすいのがGOODです。最近のニッポン放送株の騒動や、ホリエモンがサンデープロジェクトで示したチャートなど、最近のトピックや新聞記事など引用の巧さによって、ぐいぐいと読者を引きつけて一気に読ませてくれます。

第一部では、投資ファンドを次の4つに類型化し、それぞれ実例をあげて解説していました。
●企業買収ファンド
●企業再生ファンド
●不動産投資ファンド
●ヘッジファンド
そこには、安く仕入れて高く売り抜けるというだけではない、投資ファンドのビジネスがみえてきます。投資行動にファンドマネジャーの知的戦略や創造的なアイデアがつぎ込まれていることが分かりました。ファンド(お金)とオペレーション(運営)を右手と左手のようにうまく使いながら収益を上げようとするビジネスは、昔習った「所有と経営の分離」という株式会社経営のイメージを一新するものでした。

第二部では、外資系ファンドがなぜ20%もの利回りを上げているか、その"秘密"を解説しています。
●歪みの発見
●レバレッジ効果による利益増幅
●分散効果による利益の安定化
●上記3つを支えるファンド・カルチャー
ノーベル賞を受賞するほどの天才たちが、統計学や確率論を駆使して分析やシミュレーションを行なう一方で、それを可能にするファンド・カルチャーの重要性に言及し、最終的に知的ゲームを勝ち抜く源泉は、ファンド・マネジャーその人の資質であり人間力であるという著者の主張には、なぜかホッとさせられました。

第三部は、到来しつつあるファンド資本主義の社会で、我々は何をすべきか?筆者の熱いメッセージが込められています。これからは二元論の"OR"ではなく、両方とも実現させようとする"AND"の可能性を追求する生き方をしようという著者の考えに共感しました。
外資ファンド 利回り20%超のからくり

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コメント

「外資ファンド利回り20%超のからくり」の著者の北村慶です。
ブログの中で、私の伝えたかったことを的確に要約・表現していただいているのを拝見し、思わず、コメントしております。
少しハデなタイトルになってしまいましたが、内容をきちんと認めていただく読者がいらっしゃることは、著者として何よりも嬉しいことです。
ありがとうございました。

投稿: 北村慶 | 2005/11/19 08:55

北村様 はじめまして。
まさか著者ご本人からコメントいただけるとは思ってもみませんでした。
勝手な感想を書かせていただきましたが、自分の中で満足度の高い本だっただけに、とても感激しています。
これからも良書をお願いします。

投稿: cozy | 2005/11/19 22:28

『外資ファンド利回り20%超のからくり』の著者の北村慶です。
恥ずかしながらブログを始めてみました。^^;
よろしければ、覘いてみてください。

投稿: 北村慶 | 2006/04/17 23:05

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