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これからのマネジメントは「調整と育成」

情報技術(IT)革新は、「集中」から「分散」へと組織のあり方を変える。そうなれば新しいマネジメント方法が必要になる。そこで求められるのは「命令と管理」ではなく「調整と育成」のマネジメントである。
本書の主旨を思いっきり要約するならば、こんな風になります。
フューチャー・オブ・ワーク

このうち「調整」という考え方が面白いと思いました。著者によると、調整とは望ましい結果を出せるように業務を組み立てることだそうです。では、具体的にどのように調整するのか?
そのためには「能力」「インセンティブ」「結びつき」という3つの条件が必要なのだといいます。

「能力」について、集中的に管理された人事プロセス(採用、昇進、研修など)によって身につけさせるものではなく、評判や実績などによって信頼されるものだとする捉え方が斬新です。ITの進化によって情報格差がなくなったときに、能力=信用力と言い換えられるようになるのでしょうか。そういえば、先日読んだ「外資ファンド利回り20%超のからくり」という本のなかでも、投資家がファンドマネジャーを評価する際の唯一の判断基準が、事実としての運用実績(=トラック・レコード)だったことを思い出します。このことは、IT人材のスキルを客観的に観察するために、経験や実績を示す「達成度指標」を取り入れた経済産業省のITスキル標準の考え方にも通じると考えられます。
「インセンティブ」という点では、必ずしも金銭的な報酬のみならず、仕事の報酬は仕事といわれるように、仕事のやりがいも含まれるでしょう。
「結びつき」とは目標の共有化(=著者は"組織の接着剤"といっている)のことですが、それはトップダウンで一方的に下りてくるというよりは、マネジャーが編成者あるいは世話役となって、参加メンバーが関与しながらつくり上げていくものだといいます。なんとなく千葉ロッテマリーンズのボビー流を想起してしまいます。

というわけで、最近関心をもった事柄を、まさに"接着剤"のようにくっつけてくれた感じのする本でした。そういう意味で個人的にはタイムリーでした。
「フューチャー・オブ・ワーク」(トマス・W. マローン著/ランダムハウス講談社)より

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