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地下鉄に乗って

地下鉄に乗ってタイムスリップする主人公。
過去に溯りながら、徐々に明らかになっていく父の意外な過去。
地下鉄の階段を上った出口に広がる世界は、飢えと貧困にある戦後の闇市であり、アールヌーボーに象徴される平和な銀座の街並みでした。そんな昭和という時代を、体をはって必死に生きていたアムールやお時が、まさか自分の人生に関わっていようとは。。。
「ねえ旦那、その尋ね人って、恨みのある人ですかい、恩のある人ですかい」
父を探していて、アムールが何気なく聞いてきたこの問いには、実は深い洞察があったのですね。

時間旅行によって、過去のからくりのすべてを知った主人公が、たった一人、現実に引き戻されるシーンには胸を締めつけられるような思いがしました。過去のうえに現在がある、親のおかげで自分がいるという事実にホロリとさせられ、しっかり生きなくてはという余韻がジワりと効いてくるのは、同じく昭和時代へのタイムスリップを描いた宮部みゆきの蒲生邸事件にも通じるものがあるような気がします。
評判どおりの、思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド、だと思います。

追記.
この作品も映画化されるようですね。
主演は堤真一、大沢たかお、2006年11月公開予定とか。

地下鉄(メトロ)に乗って地下鉄(メトロ)に乗って
浅田 次郎

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