ブレイブ・ストーリー

宮部みゆき原作のブレイブ・ストーリーは勇気と正義の物語。
ある日、小学5年のワタルが直面したのは、両親の離婚というショッキングな現実。そんな運命を変えるために扉の向こう側に旅にでたワタル少年が、最後に選んだ「願い」とは何か。

確固たる目的をもって旅に出たはずなのに、幻界(ヴィジョン)で遭遇する出来事のたびに「本当にそれでいいのか?」と自問自答し、迷い、悩むワタル少年の姿こそ、人間本来の姿ではないでしょうか。自分の目的を果たすために手段さえも選ばないミツルとは対照的です。しかし、ワタル以上に悲しく残酷な現実を突きつけられていたミツル少年の境遇を思えば、それを否定するのは可哀想だと思ってしまう。。。
現実を受けとめ、運命を受け容れる勇気が、自分を含めた今の大人にはあるだろうか。すぐに言い訳をしたり、自己中心に考えたり、逃げたりしていないだろうか。

主題歌「決意の朝に」もよかった。
ぜひとも原作も読んでみたいと思いました。


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誰か

自転車によるひき逃げという社会問題を扱ったミステリー。
とはいっても、「火車」のようなスピード感や、「理由」のような深刻さはありません。「模倣犯」のような社会を震撼させる凶悪犯罪でもありません。

平和な日常の片隅で起きたささやかな事件の真相解明のため、探偵よろしく活躍する杉村三郎の「順路を逆にたどり時をさかのぼるのは、博物館を見学するときだけのお楽しみにしたらいい」という比喩表現が印象的でした。宮部さんの小説らしく、過去に引きずられるのではなく、今を前向きに生きようというメッセージが込められているようです。
ただ、謎解きのすべてが、杉村の洞察力に委ねられているのは、ストーリーに無理があるような気がしないでもない。この主人公の杉村は、最近の新刊「名もなき毒」にも登場するようです。
美空ひばりの「車屋さん」ってどんな歌なのか気になります。
誰か Somebody

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模倣犯

ストーリーを絵に描いたような、おどろおどろしい闇夜。
孤独感や不安感を煽るのは、おなじみの藤田新策さんの装丁。

厚手の文庫本ながら、通勤電車で、朝いいところで中断しても、
帰りの電車では、違和感なくすぐ読み始められる、そんな手軽さが不思議です。

たぶん、最後にはいつものように救われるのだろうな、
という期待感を持ちながら、2冊目まで読破。
ここまでは狡猾で残虐な犯人の独壇場でした。

いかにも、救われるエンディングの伏線になりそうな
おせっかいで世話焼きの登場人物たち。
苦しんだり困ったりしている人を放っておけない
宮部さんの人間観が根底にあるのでしょう。

しかし、、、
人間の良心が、尊厳が、そして命が、
ここまで踏みにじられてしまったら、どんな結末が待っているというのか。
因果応報という結末では、リカバリーしきれない暗さと重さがあります。
先が気になります。

模倣犯1
模倣犯1宮部 みゆき

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模倣犯2 模倣犯3 模倣犯〈4〉 模倣犯〈5〉

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宮部みゆき:蒲生邸事件

受験のために上京した主人公の孝史は、宿泊先のホテル火災に遭いますが、謎の男に奇跡的に救出されます。しかし気がつけばそこは昭和11年。雪の降り積もる東京は、2・26事件の当日だったのでした。

孝史がタイムスリップした先の蒲生邸内では、主人である元陸軍大将の蒲生憲之が自決するという事件が起こります。歴史上は自決とされている大将蒲生憲之の死には多くの謎が。。。
真相は?もしも殺人事件だったのなら誰が犯人なのか?これだけでもミステリーになりそうですが、ここからが宮部みゆきの小説の真骨頂で、さらに複数のストーリーが錯綜していきます。

ひとつには、時間旅行者の男が選んだタイムスリップ先はなぜこの日なのか?2・26事件阻止したいと考えたからなのか?あるいは別の目的があったのか?という謎解きストーリーです。面白いのは、別々の価値観をもった2人の時間旅行者を登場させることで「人は歴史を変えられるのか?」というテーマを突き詰めていることです。この結論そのものが、実はもうひとつのストーリである孝史が恋心を抱く女中ふき(文庫本表紙の女性のイメージ)との恋のゆくえにもつながります。さらには、受験に失敗した孝史少年の成長物語という見方もできます。

登場人物や事件の経緯はフィクションでありながら、昭和暗黒期へと傾倒していく分岐点となる相沢事件や2・26事件など、第二次大戦前夜の不安、焦燥感が見事に描かれていると思います。その一方で、他の作品同様、宮部さん特有の人間同士の温かいつながりや、人でなければできない仕事の尊さ、苦労しながらも前向きに生きる人々の姿といったものが感じられます。Amazonの書評でどなたかがコメントされていますが、昭和という激動の時代を生抜いてきた人たちに敬意を示したくなります。

文庫本で678ページにも及ぶSF大作は読み応え十分です。個人的には★★★★、間違いなく宮部作品ベスト3に入ります。

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本所深川ふしぎ草紙

宮部みゆきの時代小説は面白い!
まず、江戸時代から実際に語り継がれてきたという「本所七不思議」をモチーフにしているところが粋ですね。
江戸の町で起こる事件が、下町の人たちの人情、人生の哀歓と絡めながら、ミステリータッチで描かれています。
各話とも、最後の茂七親分の「締め」が効いており、とてもテンポがいいです。登場人物一人一人についてのきめ細かな描写もさすがです。七不思議をここまでドラマチックに、人生の機微を織り交ぜながら膨らませられるのは宮部さんしかいないしょう。
現代社会であれ江戸時代であれ、平凡ながらも一生懸命に誠実に生きる人たちに対するエールは、他の宮部作品と変わりません。いずれも秀作ぞろいですが、個人的には「落葉なしの椎」の話が印象に残りました。
第1話「片葉の芦」
第2話「送り提灯」
第3話「置いてけ堀」
第4話「落葉なしの椎」
第5話「馬鹿囃子」
第6話「足洗い屋敷」
第7話「消えずの行灯」

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かまいたち

宮部みゆきの時代小説に初挑戦。時代ミステリーが4作収録されている本作は、予想に反して(?)読みやすい!という感想。
これまで食わず嫌いの領域でしたが、江戸の町を走り回っているようなテンポのよさで一気に読めてしまいました。人の悪意、欲、虚栄などを描きながら、あっけらかんとしていて陰湿さがないのは、いかにも江戸時代のようです。謎解きを愉しむというより、登場人物の心情を追いけているうちに、終わってしまった感じです。時代小説も意外にいいかも・・・なんて思っています。
表題作の「かまいたち」がいいですねえ。町医者の娘おようが生き生きとしています。最後は、大岡越前の一件落着!が聞こえそうなまとめ方でした。
1作目「かまいたち」
2作目「師走の客」
3作目「迷い鳩」
4作目「騒ぐ刀」

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スナーク狩り

スナーク狩りを読んだとき、こんな図が思い浮かびました。それぞれ異なる境遇、それもどちらかといえば人間関係に疲れ、悲しさや寂しさを背負った人たちが、金沢の病院というだだ一地点に向けて収斂していくのです。関越道から北陸道へと、東京から金沢へ夜の闇を疾走するクルマのスピード感とともに、一気に読んでしまいました。物語としてはたった一夜の出来事なんですよね。にもかかわらず、こんなにも沢山の人たちを登場させながら、全員が印象に残ってしまうのは凄いことです。巻末の解説にもありましたが、一つ一つの場面が、絶妙な言葉をつかって鮮明に描かれている、きわめて映像的な小説だと思いました。
固い信念のもと、織口が貫いた"私刑執行"の形は、意外なものであり感動的なものでした。金沢で迎えたクライマックスの後、織田の計画に引き寄せられた人々の人生が変わりはじめたというエピローグには、希望にも通じる温かな余韻を感じさせられました。
宮部さんの小説の中でも、かなり好きな作品に挙げたいと思います。
snarkgari2


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パーフェクト・ブルー

宮部みゆきの長編デビュー作を読んでいます。元警察犬の「マサ」が、「俺は・・・」と一人称で語る書き口が面白いです。
宮部さんは、きっと野球好きなのでしょう。先日読んだ「とり残されて」でも、孤独なピッチャーの姿を描いた短編がありました。
このパーフェクト・ブルーは、高校野球のエースピッチャーがガソリンをかけられて焼死するというショッキングな事件から始まります。死んだ兄の弟が、小さな探偵事務所(マサ含む)と一緒になって真相を探っていく物語です。企業の陰謀や高校野球界のスキャンダルなど、場面設定は陰惨でスキャンダラスでありながら、爽快感やハートウォーミングな感じを与えるのは、根底にあるのが家族愛や兄弟の絆だからなのでしょう。本作の進也君のように、快活で純粋な少年が登場するのも宮部作品の特徴ですね。
ところで、日本プロ野球組織が、公式戦中に選手のドーピング(禁止薬物使用)検査を導入するというニュースがでていました。あまりにも偶然で、ちょっとドキッとしました。

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とり残されて

宮部みゆきの短編集を読了。「返事はいらない」「人質カノン」「淋しい狩人」のあとの4作目になりますが、それらの作風とは異なり、超常現象を扱った不思議感覚のミステリーでした。短編集は電車のなかで一話ずつ簡単に読めてしまうのがいいですね。

7篇の中では「たった一人」がよかったです。ありえない話だと言ってしまえばそれまでですが、ヒロインの梨恵子が、夢の中でみる場所を探してほしいと探偵に調査依頼し、20年を遡って徐々に明かされていく謎解きの妙に引き込まれてしまいます。
何が本当のことなのか、結局謎につつまれたまま物語は終わってしまうのですが、ひよっとしたら、起こったことすべてが梨恵子の夢の中での出来事であり、妄想に過ぎなかったのかもしれないという疑念が残りました。そんな読後の解釈も楽しい作品です。

1作目「とり残されて」
2作目「おたすけぶち」
3作目「私の死んだ後に」
4作目「居合わせた男」
5作目「囁く」
6作目「いつも二人で」
7作目「たった一人」

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淋しい狩人

事件はいつも本から始まる。まずこのアイデアと構成がすばらしいですね。
東京下町にある古本屋の雇われ店主であるイワさんと、"不出来な"孫の稔(みのる)少年が、本をきっかけに起こる謎を解いていくという素人探偵物的な趣向のミステリー6篇です。いずれも、イワさんと稔の軽妙なやりとりが面白かったです。

個人的には表題作の「淋しい狩人」が一番よかったです。クライマックスとともに、周囲をヤキモキさせた稔と年上女性との恋愛事件が、きわめて現実的な結末に落ち着くのは、一連の宮部作品に通じるリアリズムのようです。「歪んだ鏡」では、古本に挟まれていた名刺の意味に思いをめぐらせ、勇気をしぼって行動を起こすことで由起子が知りえた真相も、冷徹すぎるほど現実的です。必ずしもハッピーエンドでないながら、ハートウォーミングな読後感を味わえる作品でした。

1作目「六月は名ばかりの月」
2作目「黙って逝った」
3作目「詫びない年月」
4作目「うそつき喇叭」
5作目「歪んだ鏡」
6作目「淋しい狩人」

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魔術はささやく

主人公の高校生、日下守が背負った3つの境遇が巧みに絡み合いながら進行します。1つめは「3人の女性の死」を追究すること、2つめは「犯罪者の息子」という烙印に打ち克つこと、3つめは「父親」を探すことです。
相変わらず、どきっとする人間心理の本質を突いた描写がでてきます。

P54 ただ、貪欲なのだ。守は思う。自分には足りないものはないが、同じように足りないものがない人間はほかにもたくさんいる。自分も十持っていて、隣の人間も十持っている状態で、その隣にいる人間に対して優越感を感じたいと思ったら、相手から何かを取り上げてしまうしか方法がない。そうしないと満足できない。
三浦のような人間-今は大多数がそうなのだ-が満足感と幸福感を得ようと思ったら、もう足し算では駄目なのだ。引き算しながら生きていくしかない。
裕福でスポーツマンで優秀な同級生三浦が、2つめの境遇を理由に、陰険で執拗な「いじめ」を繰り返すことへの分析です。
「火車」や「理由」と同じく、社会派ミステリーと呼ばれるジャンルに分類される作品だと思います。なぜ「魔術」なのか?が最後に解き明かされます。

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人質カノン

街の片隅、日常に潜むよりすぐりのミステリー7篇です。これらの作品に登場する人物たちの行動が、ともすれば余計なおせっかい、厚かましいと感じられてしまうのは、表面はクールに見える都会の人々の寂しい気持ちとか、ほんとうは、もっと人に関わってほしいと願う、孤独な内面心理の代弁だからなのかもしれません。
1作目「人質カノン」
2作目「十年計画」
3作目「過去のない手帳」
4作目「八月の雪」
5作目「過ぎたこと」
6作目「生者の特権」
7作目「漏れる心」
いつも会うけど名前は知らない、よく見る顔だけど話しかけない、生死をともにする経験をした相手でさえ店を離れればただの他人、といった「匿名性が望まれる場所=コンビニ」をモチーフにした表題作「人質カノン」が印象的でした。
ところで、「八月の雪」は、2.26事件に関わった祖父の遺書を見つけた不遇の少年が、生きることの意味を悟り、引きこもりから立ち直っていく話なのですが、つい数日前、2.26事件の青年将校らの遺書が69年ぶりに発見されたというニュースが報じられており、なんて奇妙なタイミングなのだろうと思いました。

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返事はいらない

いずれの作品も、大都会東京で前向きに一生懸命生きようとする人物が描かれており、それによって爽やかでハート・ウォーミングな読後感をもたらしているのでしょう。宮部みゆきの2作目というこの短編集は1991年10月の刊行ですから、時代はちょうどバブル崩壊に向かう頃です。「借金」を扱った幾つかの作品からは、当時のバブルに浮かれた人々へメッセージが読みとれるようです。
一見平凡で、主人公の独り言ともとれそうな各タイトルですが、宮部みゆきの巧みなストーリー構成によって、読後、その一言に込められた心理をあらためて味わうことができ、思わず唸ってしまいます。
1作目「返事はいらない」
2作目「ドルシネアにようこそ」
3作目「言わずにおいて」
4作目「聞こえていますか」
5作目「裏切らないで」
6作目「私はついてない」
個人的には表題作「返事はいらない」の意外な結末と余韻、そして2作目「ドルシネアにようこそ」の最後の希望に満ちたメッセージが気に入っています。

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宮部みゆき:「理由」

超高層マンションを舞台にした荒川一家4人殺しの事件は、ノンフィクションと思いきや、宮部みゆきが創作した600ページ(文庫本)ものフィクションなのでした。事件が解決した後、関係者へのインタビューによって事件を解き明かしていくという手法が特徴的です。事件の背景が詳細に述べられているだけでなく、登場人物一人ひとりの生い立ちまでも精緻に作りこまれていて、恐ろしいほどのリアリティを感じさせられました。時折、とくにクライマックスのシーンで本質を突いたような人間描写の表現があってドキッとさせられます。たとえば、こんな感じです。

P520 人を人として存在させているのは「過去なのだと、康隆は気づいた。この「過去」は経歴や生活歴なんて表層的なものじゃない。「血」の流れだ。あなたはどこで生まれ誰に育てられたのか。誰と一緒に育ったのか。それが過去であり、それが人間を二次元から三次元にする。
P552 信子は、いつか国語の先生が、人間には「見る」というシンプルな動作はできないのだと言っていたことを思い出した。人間にできるのは、「観察する」「見下す」「評価する」「睨む」「見つめる」など、何かしら意味のある目玉の動かし方だけで、ただ単に「見る」なんてことはできないのだと。
殺人事件が起きた"理由"が、登場人物たちの訥々とした語りによって炙り出されていくなかで、社会問題、とくに「家族の絆とは何か?」について考えさせられる作品です。自己破産というテーマを取り上げた『火車』とともに社会派ミステリーというカテゴリに分類される所以でしょう。
占有屋という訳アリな商売への着眼もすごいのですが、さらに意外性のあるストーリーに仕立て上げてしまうのが作家宮部みゆきの凄さだと思いました。

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火車

あなたは借金地獄に落ちていく人に対してこう思ってますね?

「まともな、ちゃんとした人間なら大丈夫なはずだ。多重債務を抱えるのは、やっぱり本人に何らかの欠陥や欠点があるからなのだ、と。違いますかな?」
失踪した若い女性、関根彰子を追う刑事、本間俊介に対して溝口弁護士が投げかけた問いです。本間刑事ならずとも、図星の指摘に読んでいてドキッとしました。
背負ってしまった借金のおかげで、リセットの効かない人生を歩むしかなくなり、棄民となって社会の裏側でしか生きられなくなる人々を、自業自得だと切り捨てる社会の姿。実は小説の中だけの話ではなく、我々が生きている社会の現実であり、自分の力ではどうしようもない絶望的なリアリティがあって恐ろしかったです。
もしリセット効くのなら・・・という望みを、世の中から「わたし」を抹消し、赤の他人である「あなた」に成り変わることで実現しようとする完全犯罪の計画が、「自己破産」という本来なら人生をリセットするはずの最終手段が仇になって綻びはじめるところなど、宮部みゆき作品の巧さなんでしょうね。
完全犯罪を企てる女の意外な過去が明らかになるにつれ、何とか救ってやりたいと思う気持ちすら生まれるのは不思議な感覚ですが、どんどん追い詰められていくストーリーのなかで、どうしようもない「やるせなさ」に打ちのめされたというのが率直な感想です。
結局、最後まで本間が直視することなく、言葉も交わすことがなかった新城喬子の後姿が語る結末は、あまりにも寂しく衝撃的でした。


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