PMシンポジウム2009

PMシンポジウム2009(1日目)に参加。
今回のテーマは「時代に克つ~知識から知恵へのプロジェクトマネジメント」であった。

基調講演は2本。

まずロボット博士の古田貴之氏がロボットの最新動向を紹介。実際の最先端ロボットの動画を示しながらのプレゼンは聴いていて楽しかった。「物作り」でなく「物事作り」が必要であるとのメッセージだった。

森ビル専務の森浩生氏の「上海環球金融中心」建設プロジェクトの話も興味深かった。着工から14年、工期中に死亡事故ゼロという偉業を成し遂げた。日本企業の技術力を誇らしく思った。

午後の部。
PMコンセプツ長尾氏のセッションは、オフショア開発の落とし穴について。オフショア開発(グローバルビジネス)では性善説を捨てなければならない。利害対立を避ける日本人のマインドこそ問題であるとのこと。事を穏便に済ませる、相手によく思われたい、関係にヒビを入れたくない、外国人を別基準で対処する、等はすべてPMの基本姿勢として不可。ヌケモレのない契約実務もポイントになりそうだ。

マインドエコー香取氏は、ホールシステム・アプローチ(決めない会議)を紹介していた。数の力や職位によって物事が決まるのではなく、ダイアログを通じて誰もが真に納得できる結論を得るための意思決定の手法だと理解した。前のセッションで聴講したオフショア開発の性悪説と正対的な考え方であるが、こちらの方が日本人のメンタリティーに合いそうな気がした。むろん双方とも不可欠ではある。

ソニー森田氏の発表は、日科技連SQiP研究会の成果であった。ユニークな点は、現場で起きているコミュニケーションミスなどの問題分析に、「思い込み」という視点を取り入れていたことだ。ビジネスのグローバル化等によって多様な価値観をもつ人たちと仕事を進めるうえで、相手の立場や文化、思考について一歩踏み込んだ人間理解が求められているのだと思う。

ニルソフトウェアの河合氏は、リスクマネジメントを組織学習のツールととらえ、PRIMEという具体的方法論を紹介していた。モデルを使ってリスクを見える化し、それらをつなぎあわせて失敗シナリオをつくること自体が学習になる。

タワーホール船堀の展望室からの眺め。
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PMBOKガイド第4版

12月にPMBOKガイドの第4版(英語版)がリリースされました。
マネジメントプロセスは、第3版では全部で44プロセスありましたが、第4版では42プロセスになったようです。以下に主な変更点を挙げておきます。
・統合マネジメントの「プロジェクト・スコープ記述書暫定版作成」が削除された。
・コミュニケーションマネジメントに「ステークホルダー特定」が追加された。
・調達マネジメントにあった6プロセスが、「調達計画」「調達実行」「調達管理」「調達終結」という4プロセスに集約された。
・「プロジェクト終結」→「プロジェクトやフェーズの終結」
・「スコープ計画」→「要求事項定義」
・「コストの予算化」→「予算設定」
・「プロジェクトチームのマネジメント」(監視コントロール)→ 「プロジェクトチームのマネジメント」(実行)
・「ステークホルダー・マネジメント」(監視コントロール)→「ステークホルダーの期待マネジメント」(実行)
・「リスク識別」→「リスク特定」

また、第4版の刊行にあたって、以下の説明がされています。
「要求済み変更、予防処置、是正処置、欠陥修正の議論に関しては、標準的アプローチを採用した。」
何のことだろう?と思って注意深くみてみると、第3版のときにインプットやアウトプットに記述されていた変更(Changes)、変更要求(Change Requests)、是正処置(Corrective Actions)、予防処置(Preventive Actions)、欠陥修正(Defect Repair)等は、第4版ではすべて、変更要求(Change Requests)または承認済み変更要求(Approved Change Requests)に統一されているようです。また、それらの頭にくっついていた要求済み(Requested)、提案済み(Recommended)、承認済み(Approved)、実施済み(Implemented)、更新版(Updates)等の表現が消えていました。

つまり、第3版では、どんなAction(変更、変更要求、是正処置、予防処置、欠陥修正)を施し、それぞれがどんな状態にあるのか(要求済みなのか、提案済み(なのか、承認済みなのか、実施済みなのか、計画自体が更新されたのか)を個別に細かく記述していたけれども、第4版では、統合マネジメントに働きかけるActionをすべて「変更要求」とし、それが承認されたのか承認されていないのかだけを管理するようになった、ということだと思います。

計画(Plan)と実行(Do)の差異をCheckし、必要なActionを施すというPDCAのマネジメントサイクルを、よりシンプルにしたと考えることができそうです。これこそが「標準的アプローチ」なのではないでしょうか。実際、第3版ではRequestedとRecommendedの違いがよく理解できなかったので、個人的にはすっきりした感じです。

その他では、アロー・ダイアグラム法(ADM)が削除されていたり、Interpersonal Skills(対人関係スキル)を説明した付録が追加されたりしています。対人関係スキルには次の8項目が挙げられていますが、かなり雑に訳してみたので間違いがあったらご容赦を。

Leadership:
一般論として、リーダーシップは人を通じて事をなす能力だといわれる。威嚇や服従ではなく、尊敬や信頼にもとづく効果的なリーダーシップを発揮しなければならない。効果的なリーダーシップの発揮には、ビジョンが共有され、関係者が動機づけられている立ち上げフェーズが特に重要である。

Team building:
優れたリーダーシップと良好なチーム形成は、チームワークをもたらす。チーム形成活動は現在進行形で行われるべきものであり、プロジェクトをとりまく環境変化にあわせて、プロジェクトマネジャーはチームを維持継続させる努力をしなければならない。

Motivation:
プロジェクト活動における動機づけは、メンバーに最大の満足をもたらす。それらは、経済的報酬にも換えがたい達成感や成長、職務への充実といったものである。

Communication:
コミュニケーションは、プロジェクトの成否を決定づけるもっとも大切な要因として捉えられてきた。プロジェクトマネジャーは、組織、文化の違い、メンバーの個性など、状況に応じて効果的なコミュニケーションスタイルを意識しなければならない。なかでも傾聴スキルは重要だ。

Influencing:
影響力は、メンバーを協働させ、共通目標に向かわせるために不可欠なものである。率先垂範すること、意思決定を明確にすること、メンバーに合わせて柔軟なスタイルをとること、長期的な協力関係をつくることなど。

Decision making:
プロジェクトマネジャーが使う典型的な問題解決スタイルには次の4つがある。命令、相談、合意、運任せ。そこには時間的制約、信用、品質、承認などが作用する。プロジェクトマネジャーやチームは、しばしば、次に示す問題解決の6段階モデルを使う。①問題定義、②解決策作成、③優先順位づけと選択、④行動計画、⑤計画の評価、⑥ノウハウの獲得。

Political and cultural awareness:
グローバルな環境でプロジェクトを進めるためには、文化の違いなど多様性(Diversity)への理解や配慮が求められる。

Negotiation:
ネゴシエーションは、関係者と意見交換したり合意するための戦略である。ネゴシエーションを成功に導くには、次のようなスキルが有効だろう。状況分析、ニーズとウォンツの識別、地位や役職ではなく関心事にフォーカスする、現実的な価格交渉、Win-Winなど。

まあ、第3版から第4版へのバージョンアップにあたって、根幹にかかわる大きな変更はないと思われます。あえていうなら、英語版においてすべてのプロセス名が「名詞+動詞」の形式に統一されるなど、表記が洗練され、より分かりやすくなった印象を受けました。

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PMBOKはバドワイザー?

会社帰り、MPUF主催のセミナーに参加してきた。2時間で旬のテーマを解説してくれるので大変助かる。きょうは「世界のプロジェクトマネジメント動向」について、PMAJ理事長の田中弘氏が講演された。

P2Mは日本発のPMモデルであり、イノベーションが求められている今、ビジネスモデル開発までを含んだP2Mへの期待は大きく、世界からも注目されているそうだ。また、P2Mの神髄は「多神教」である。したがってPMBOKとP2Mは両立する。

世界のPM資格保有者は約75万人といわれている(うちPMPは29万人)。日本国内でも、IT業界を中心にやはり圧倒的に「PMBOK」だが、欧州ではむしろ英国の「Prince2」のほうが普及しているという。PMBOKが、その親しみやすさ、読みやすさからバドワイザービールだとすれば、P2Mはシングルモルト(田中氏は芋焼酎というが)であり、堅牢かつ厳格なプロセスをもつPrince2は、スコッチウイスキーあるいはCookBook(料理書)のようだという比喩が面白かった。

PMの高等教育では、日本は世界に大きな遅れをとっている。中国では工学系96校、MBA系25校でPM修士課程があり、年間6000名ものPM修士を輩出している。駅のキオスクでPM(「項目管理」というらしい)関連の雑誌が常時販売されているという信じがたい話もあった。

田中氏はフランスのESC Lille教授でもあるが、欧州のPMモデル標準や大学カリキュラムには、SSM(ソフト・システムズ・メソトロジー)などの方法論が入っているという。ベストプラクティスにもとづくPMプロセスのみならず、自分のアタマで考え抜き、新しい価値を創出するようなプロジェクトマネジャー、そしてプロジェクトマネジメントのあり方が求められている、ということだろう。

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知識組替えの衝撃

PDU確保もかねてMPUF主催のセミナーに参加してきた。講演タイトルは「知識組替えの衝撃~現代の産業構造変化の本質」。先に経済産業省が出した報告書の解説であるが、なかなか興味深い話だったので、要旨をメモしておこう。

現代の産業構造には、「グローバル化」「オープン化」「知識経済化」という3つの潮流がみられる。従来のピラミッド型の産業構造は、いまや砂時計型の産業構造に変わりつつある。これは、製造業だけでなく、金融、情報、医療、農業などあらゆる産業で起きている。

わが国には世界に誇りうる価値がある。
たとえば、製造現場での技術力やものづくりのノウハウ、環境関連技術であり、人々の社会的な問題意識の高さ(「もったいない」など)であり、クールジャパンと呼ばれるコンテンツやファッション、日本料理、伝統工芸などの衣食住をカバーする日本文化である。しかしながら、わが国には、グローバル化、オープン化、知識経済化という産業構造変化に対応して、組織や業種、市場(国境、地域)、ものづくりとサービスといった境界を超えて、これらを組み替え、グローバルなトレンドを創り出す力が欠けている。

日本の中小企業は自立しなければならない。
これまでの日本の中小企業は、系列取引を通じてセットメーカーとともに海外に進出するか、最終製品に組み込まれて輸出しているだけであった。これに対しドイツの中小企業は、田舎に立地しているものの、直接海外を相手にビジネスをしている。彼らは直販によってブローバルな顧客ネットワークを開拓、維持している。わが国の中小企業も、技術力をもとにグローバル企業として「第2の創業」が必要な時代になりつつあるし、それは十分可能である。工業デザイナーの奥山清行氏が手がける山形工房や、iPodのステンレスカバーの加工を引き受けている新潟県燕市の磨き職人などの例もある。

個々の日本企業は優れた技術をもっている。
しかし、それらは往々にして「埋もれた技術」や「宙に浮いた技術」になっていることも多い。それらの技術は使われなければ宝の持ち腐れである。外資系企業やファンドはそのことをよく知っており、インテレクチャル・ベンチャーズのように、日本の企業や大学がもっている特許を買い集め、他に売ることをビジネスにしている会社もある。技術をどう使ったらいいかを知るには、発明を発見するためのインフラも必要である。「イノベーション創造機構」はそういう経緯で創設された。イノベーションの方向性を的確に見極めるには、しっかりと顧客ニーズを把握することであり、顧客との共創が不可欠になってきている。つまり、「オープンイノベーション」にいかに対応していくかである。

「ものづくり」と「サービス」は接近、融合している。
ダイセル化学工業の網干(あぼし)工場は、見学申込が殺到し数か月待ちだという。組立加工産業におけるカイゼン方式をプロセス型産業に適用した成功事例であり、製造原価20%削減を達成したそうだ。興味深いのは、オペレーションを含めた現場に蓄積されたノウハウを横河電機と連携し、知的生産支援システムとして、他社に販売していることである。ようするに化学産業が知識産業化した事例といえる。プロセス型産業を環境知識産業とみなせば、化学、鉄鋼、プラントメーカーの境目はなくなる。鉄鋼産業、エンジニアリング産業等との知識融合によって、環境ソリューションサービスとして成長していくことで、環境技術分野で世界をリードすることにもつながろう。

トレンドは必ずしも欧米発ではない。
中国で日本のファッション誌の翻訳版が爆発的に売れているそうだ。しかも、現地のファッション誌が7~8元なのに比べ、日本のものは22~23元と3倍近い価格にもかかわらず、女性向けファッション誌の売れ行き上位を独占しているという(Ray、ef、ViVi、MINAの4誌で55%)。このことは、80年代後半からつくられてきた多様なファッションカテゴリーを、日本が海外に向けて発信していることを意味する。トレンドは必ずしも欧米発ではなくなっており、ジャパンクールを活かして日本から発信しうる可能性がある。日本発のフレームワークで、各地域の消費者の嗜好パターンやライフスタイルを分析していけば、グローバル市場のマーケティングに役立つインフラ消費インテリジェンス基盤をつくることにもなる。

このように、製品やサービスに込められた知識が、新たな付加価値を創造する時代になりつつある。市場、業種、組織といった垣根を超えた知識の大胆な新結合こそ「知識組替え」である。こうした知識組替えと新結合は、あらゆる産業分野で、また大企業か中小企業化を問わず求められているのである。

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情のプロジェクト力学

さすがプロマネの達人。
著者である林衛さんのプロジェクト観、プロマネ観に共感した。
この本でもっとも好きな箇所は、プロマネにとって一番大切なものは「リーダーシップ」であり、その本質は「自分自身への約束」であると述べているところ。以下引用。

困難があっても強い意志をもってしぶとく進み、「最後には必ずやり遂げる」と自分に誓うのだ。このように「自分との約束」を必ず果たすという意思が、リーダーシップの原点である。つまりリーダーシップは、目標を決めてそれを達成しようとする人の内側にある、成功に対する基本的な考え方だといえる。(本書33ページより)

自分に対してリーダーシップを取ることができ、自信をもって持って目標に進める人は、結果的に周りの人を巻き込むと私は考えている。
自信とは、「自分」を「信じる」ことだと先述したが、「自分」を「信頼」することだと言い換えることもできる。自分自身との約束を守れる自分を、自分は信頼している。自分を信頼している人は周りの人からも信頼される。自信を持って行動すると、考えがぶれない。だから、いつでも、どんなプロジェクトでも、真っすぐに取り組んで目標達成に向かうことができる。(本書35ページより)

行動が経験につながり、経験が自信を生み、自信が誇りになっていくというプロマネの成長論も、林さんご自身の自伝的な本でもあり説得力があった。

ただし、経験とはいっても、ただ場数を踏めばいいというものではなく、意図をもって行動した経験が大切であり、行為を繰り返すなかに反省をともなうことが重要であるという。最近読んだ本では、田坂広志さんのいう「経験」と「体験」の違いや、内田和成さんの仮説思考でも、まったく同じことがいわれている。

すべての出発は、退路を絶って崖っぷちに立ち、勇気をもって飛び立つことができるかにかかっているということだ。飛び立てば100%成功するとは限らないが、飛び立たなければ、そもそも成功の可能性はゼロであるという事実に対峙しなければならない。

情のプロジェクト力学
情のプロジェクト力学

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PMI東京フォーラム2008

23日のセミナーに参加してきました。休日ながら、どのセミナーも満席の盛況ぶりでした。
「進化するプロジェクトマネジメント」がテーマでしたが、プロジェクトマネジメントがビジネスの現場に着実に浸透しているのだと実感します。
PDUの確保のため申し込んだのですが、ネットワーキングにも参加することができ、日頃会えないような人から、いろいろと興味深い話を聴くことができました。

ボランティアで運営されているとはいえ、皆さん生き生きとしており、自分も頑張らなくては!と、大いに刺激をもらいました。プロジェクトマネジメントについて、もっと知見を深めていきたいと感じた一日でした。

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PMシンポジウム2008

9月4日(木)と9月5日(金)の2日間、タワーホール船堀で開催されたPMシンポジウム2008に参加してきました。

「総合力と人間力を磨く」というサブタイトルが示すとおりの内容でした。プログラムマネジメントやPMOのように、組織全体の最適化や総合力の発揮をめざした取り組みであり、また、その役割を担う人材としてのプロジェクトマネジャーやメンバーの人間力をテーマにした発表が多かったように感じます。各講演者のお話を伺っていても、プロジェクトはやっぱり「人」なんだなと実感します。自分がかかわったプロジェクトの経験を振り返ってみても、共感できることが多かったです。

同僚とは自分を助けてくれる人のこと。自分を助けてくれるから、自分も同僚を助ける。職場(プロジェクト)は、本来そんな信頼関係のうえに成り立っている。(柴田昌治氏)

「人間はそもそも間違うものだ」という前提に立って、まずやってみることが大事。プロジェクトをコントロールするのは自分だということ。事象の捉え方次第である。何が正しいかよりも、ステークホルダーを味方につけることの方が大切。(伊藤健太郎氏)

半年に1度、全メンバーで1泊2日の研修を実施してチームビルディングを行った。モチベーションを高めた集団は、自己と集団が同一化され、集団のために自己犠牲を厭わない。研修でやったことは、小学生でもやっているような自己紹介とか他己紹介だけ。(栗田太郎氏)

PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)の立ち上げでは、だれをPMO長にするかで成功、失敗が分かれると言っても過言ではない。だれが長になるのか、組織のメンバー、従業員たちはしっかり見ている。(仲村薫氏)

○○のような人になるにはどうすればいいか。あたかも○○な人のように行動し、それを続けることだ。そうすれば、やがて○○な人になる。(中嶋秀隆氏)

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プロフェッショナル責任

PMPには職務規定があります。
そこではプロフェッショナルとしての行動特性や法的遵守が問われます。実際、本試験でも「プロの責任と社会的責任」という出題範囲があり、出題全体の9%を占めていることからも大変重要視されていることがわかります。

プロフェッショナル責任とは何か?
なかなか難しい問いですが、ドラッカーは次の一言で示していました。


知りながら害をなすな


正確にはギリシャの名医ヒポクラテスの誓いだそうです。
プロたるものは、医者、弁護士、マネジャーのいずれであろうと、顧客に対して、必ずよい結果をもたらすと約束はできない。最善を尽くすしかできない。しかし、知りながら害をなすことはしないとの約束はしなければならない。顧客となるものが、プロたるものは知りながら害をなすことはないと信じなければならない。これを信じられなければ何も信じられない。
(マネジメント 基本と原則 [エッセンシャル版] P113)

「知りながら害をなすな」の原則は、ドラッカーはいたって平凡だが、守ることの容易なものではないといいます。
食品偽装や耐震偽装、虚偽申告など、知りながら害をなす不祥事が頻発する昨今、あたりまえのことをあたりまえに行うことがプロフェッショナルだといわざるをえない現実は悲しすぎますが、逆にプロフェッショナルという言葉がもつ別の輝きを発見したような気がしました。

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PMP認定証書

PMIからPMPの認定証書が届きました。
8週間ほどかかると聞いていたのですが、意外に早かったようです。
ピンバッチとインフォメーションCD-ROMが同封されていました。
やはり嬉しいものです。
Pmp


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ハロルド・カーズナー博士

プロジェクトマネジメントの権威であるハロルド・カーズナー博士の講演を聴きました。

PMP試験にあたってそれなりにPMBOKガイドを読み込んだつもりでしたが、カーズナー博士の講演を聴いて、「顧客への貢献」と「ビジネスプロセスへの統合」という視点が欠けていたように感じました。PDCAサイクルを回すという意味でのマネジメントプロセスとして理解していたかもしれません。それはそれで正しい面もあるとは思いますが、カーズナー博士は、マネジメントプロセスというよりは、むしろビジネスプロセスとしてプロジェクトマネジメントを捉えているようでした。もはやプロジェクトマネジメントが開発、設計のための方法論にとどまらず、その上流のプロセスである要求定義や、さらには顧客とのパートナーシップの確立といった段階にまで求められつつあるというお話は興味深いものでした。もしかするとPMBOK次期バージョンでは、顧客とのリレーションシップの構築やビジネスプロセスへの統合といった観点が加味されるかもしれませんね。

以下私なりに示唆をうけた内容を整理しておきます。

プロジェクトマネジメントは、マネジメントプロセスというより、むしろビジネスプロセスとして進化してきた。つまり、これまでのプロジェクトマネジメントの意義は、顧客が要求する製品を提供することであった。しかし、マイクロソフトやHP、IBMが言っているように、今やプロジェクトマネジメントは顧客に対して製品ではなくソリューションを提供するためのものである。そのために不可欠なものがベストプラクティスだ。企業の中にあるベストプラクティスを活用すための仕組みが必要だ。こうしたエンタープライズ・プロジェクト・マネジメント(EPM)の役割は、ソリューションの提供からパートナーシップの確立へとさらに発展していくことだろう。

ベストプラクティスについて、日本人であれば「失敗から学ぶ」となりそうなところを「成功から学ぶ」といっているところが対照的でした。しかも、成功事例を外から探してくるという発想が、狩猟民族的な世界観で面白いと思いました。

(2007/11/20 マイクロソフト社主催 Project Conference 2007 in Autumn 東京国際フォーラムにて)

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PMP試験を振り返る(3) 学習に使える小道具

PMBOKは5つのマネジメントプロセスに、9つの知識エリア、合計44のプロセスから構成されている知識体系です。さらに各プロセスには、インプット、ツールと技法、アウトプットという要素があり、試験では英訳もわかるようにしておく必要があります。

これらを効率よく覚えるにはどうしたらいいだろうか?
わたしは、全プロセスのインプット、ツールと技法、アウトプットをExcelの表形式にデータ入力し、英和辞書を作成しました。Excelのオートフィルタ機能を使えば簡単にソートできますし、もちろんピンポイントでの用語検索や条件抽出もできます。たとえば、「承認済み変更要求」がアウトプットになっているプロセスって何だっけ?とか、「予備設定分析」ってたしかリスクのところでも出てきたよな?というような逆引きもできます。特に、演習問題の答え合わせのときに重宝しました。

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PMP試験を振り返る(2) 試験対策

PMP試験対策は、オーム社のカブトムシ本と、アイテックの合格虎の巻という定番の試験問題集2冊をそれぞれ3回ずつ解き、答え合わせのときにPMBOKガイドを読むというスタイルで取り組みました。受験そのものに400ドルものお金がかかってしまったので、基本的には試験問題集とPMBOKガイドの読み込みという独学スタイルで取り組みました。
PMP試験実戦問題
PMP試験実戦問題

PMP試験合格虎の巻―重要ポイント解説+演習問題・模擬試験
PMP試験合格虎の巻―重要ポイント解説+演習問題・模擬試験

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド第3版 A Guide To The Project Management Body Of Knowledge
プロジェクトマネジメント知識体系ガイド第3版 A Guide To The Project Management Body Of Knowledge

学習時間は平日のみ約3ヶ月間、毎日の通勤往復で30分×2、昼休み30分、帰宅後1時間を費やしました。合格虎の巻に付いている模擬試験にチャレンジしたときの正答率は、1回目(試験2週間前)は72.5%、同じものに2回目(試験1週間前)にチャレンジしたときは85.0%でした。いずれも2時間40分程度で終わりました。これは、何より4時間200問という時間感覚をつかむのに役立ちました。多少なりとも自信もつきます。当初、同じ問題を何度も解いて意味があるのか?という疑問もあったのですが、対策本に書いてあった学習方法を愚直に実践したことがよかったと思います。1週間あけていても同じ問題を間違えてしまうものです。

しかし、本番の試験問題は初めて出会うものばかりだったという印象があります。PMP試験はPMBOK検定ではないということをあらためて実感させられました。つまり、PMBOKガイドの知識を暗記しただけでは歯が立たないということです。「各プロセスのインプットやアウトプット、ツールや技法は何か?」といったPMBOKの知識そのものを問う出題は、感覚的に2割くらいだったと思いますが、これらは問題集のおかげで確実に得点できたと思います。

失点の多くは「プロジェクトマネジャーとして、あなたはどうすべきか?」を問う問題でした。4択のうち2択までは絞れることが多かったのですが、そこからどっちが正解だろう?と迷う問題が結構ありましたので、そこでミスしていたのだと思います。カブトムシ本でいえば理解系あるいはPMI系にカテゴライズされた問題です。なぜそう考えるのかという根拠をPMBOKに求めるようにすればよいと思います。

また、PMBOKガイドには直接は書いていないキーワードや考え方も目につきました。これらの対策としては、PMI東京支部が訳した「プロジェクトマネジメントプリンシプル」という銀色の本をもっと熟読しておけば正答率があがったのではないかと感じます。組織構造、インターフェイスマネジメント、コンフリクトマネジメント、契約プロセス等について詳細な説明があります。
プロジェクトマネジメント プリンシプル - 変革の時代を生き抜くための人と組織の挑戦 [原書名:The Principles of Project Management]
プロジェクトマネジメント プリンシプル - 変革の時代を生き抜くための人と組織の挑戦 [原書名:The Principles of Project Management]

PMBOKはよく「かめばかむほど味が出る」と言われますが、試験問題もまさにそんな感じの印象でした。一見するとつかみどころがないけれども、PMBOKの観点から問題をよく考えてみると合理的、合目的的なマネジメント思想が見えてくる、そんな感じです。

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2つの責任

PMPをめざしているとき、プロジェクトマネジメントに関する本を何冊も読みました。それらの中で、昨日の落合采配をめぐって思い出したことがあります。

それは、プロジェクトには2つの責任があるという話です。峯本展夫氏が「プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル」という本の中でコラムとして書いていました。

プロフェッショナル責任には「レスポンシビリティ(responsibility)」と「アカウンタビリティ(accountability)」があるというのです。これらは、日本語では責任という言葉で一括りにされてしまうけれども、英語ではこの区別が明確なのだという指摘です。

「レスポンシビリティ(responsibility)」=自分が引き受けて行なうべき任務、義務
「アカウンタビリティ(accountability)」=自分の行為から生じた結果に対して負う義務、償い

この2つの違いを意識することで、日頃何気なく使っている「責任」の意味がかなりハッキリしそうです。

日本シリーズの落合采配でいえば
「レスポンシビリティ(responsibility)」=試合に勝つという任務 →非情なまでの継投
「アカウンタビリティ(accountability)」=采配結果に対して負う義務、償い →丸刈り
といった感じでしょうか。。。


プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル―論理と知覚を磨く5つの極意
プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル―論理と知覚を磨く5つの極意

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PMP試験を振り返る(1) 当日の状況

PMP受験から一夜明け、PMIからメールが届いてました。
8週間以内に認定証書を送付するので、Webサイトの登録情報に間違いないかチェックしろとのこと。ようやく、合格の実感がわいてきました。
忘れないうちに、試験当日の実施ステップについて書きとめておきます。これからPMPを受験される方の参考になればと思います。

続きを読む "PMP試験を振り返る(1) 当日の状況"

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PMP試験合格しました

きょうアール・プロメトリック社の試験会場にいき、PMP試験を受けました。
結果、何とか合格できました!
嬉しいというよりホッとしてます。(^^;

4時間で200問を解くコンピュータによる試験は、予想をはるかに超えてしんどいものでした。最後のほうは何度も集中力が切れかかりましたが、「もういいや」という気持ちに屈せず粘れたことが一番の勝因だと思っています。

きょうの結果次第では「やけ酒」になるところでしたが、1か月ぶりにうまいビールが飲めてよかったです。今後このブログでPMP試験の手続きや学習方法などについて振り返っていきたいと思います。

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